パッキングを考えていますか?

山を登るときのスタイルといえば、今はザックを背負ってストックを手にするというのが定番です。
特に、ザックはカラフルでさまざまなデザインのものが普及し、女性にとっては大きな興味の対象となっているようです。
ところが、彼女たちの興味は往々にして外見だけにとどまっているのが現状です。決して、外見に気を使うのがいけないといっているのではありません。
誤解しないようにしてください。

ここで書きたいのはパッキングです。
登山に持っていくものはある程度決まっていますが、それをザックの中でどのように配置させるかです。
以前、ザックに入れるときは下に重たいもの、上は軽いもの、背中に当たる部分にはソフトなものというのが定番でした。
しかし、今は少しずつ変わってきています。例えば、重たいからという理由で水筒をザックの一番下に入れますか?
ザックにサイドポケットがあればそこに入れますが、ない場合はザックの中に収納しますね(肩ヒモにぶら下げるという方法もありますが)。
しかし、休憩するたびに、さらには歩きながらでも飲むことが多いのにザックの一番下に入れるのは効率的ではないということです。

現在のパッキングは使用頻度による配置です。宿泊地でしか使用しないもの…シュラフ、テント、マット、着替えなどは一番下。
行動中にたまに使うコンロやコッフェルはその上、そして行動食や水筒がその上、一番上が頻繁に使う地図、コンパス、タオルを配置するという考え方です。雨が降りそうなときはレインギヤを一番上に詰め、すぐ取り出せるようにしておきましょう。

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ヘッドランプは登山用具

一般的に日帰り登山の場合、朝から登り始めて午後3時には登山口に戻るというのが通例です。
これから日が短くなると、山では午後3時でも火が陰ってきます。できれば2時過ぎには降りていたいですね。

さて、今日はヘッドランプは必ず持参しましょうという話をします。
ちょっと待て、午後2時や3時には下山するんだから、ヘッドランプなんか必要ないだろうと思う人がいるかもしれません。
でも、考えてみてください。予定通りの行動がとれたからこそ2時、3時に下山できたのではないでしょうか。
もし予定通りに行動できなかったらどうしますか?
山では予定を妨げる要素がたくさんあります。大雨のためコースが崩れていて迂回した、メンバーの体調を落として予定通りの時間で歩くことができなかった、メンバーがはぐれて合流するまで時間がかかったなど理由はいろいろあります。
しかも、それは珍しい出来事ではないのです。
登山口までまだ2〜3時間もかかるのに日が沈んで真っ暗になったらもう動きは取れません。山の中は明かりがなにひとつありませんから、月と星しかないのです。そのような状態で歩き回るのは自殺行為です転落すれば助けることもできないのです。

LEDが普及して小型ライトはずいぶん便利になりました。電池は長く持つし、電球が球切れすることもありません。もちろん、電池の予備は必要ですが、必ずザックの中にヘッドランプを入れておきましょう。それがあなたの命を救うかもしれないのです。

道に迷ったら……

山ではシニアの人口が非常に多いのですが、そのシニアの皆さんが事故に遭う原因の一番は道迷いだそうです。初めて登るルートで、しかも山に慣れていないビギナー同士で登ると往々にしてこの道迷いをやりかねません。ほとんどのケースではいずれ復帰できるのですが、なかなか復帰できないまま疲れて動けなくなり、最終的に救助を要請したという場合も少なくありません。救助が間に合って助け出されればいいのですが、連絡が取れずに行方不明となり、そのまま亡くなる事例もままあります。

それを避けるには、迷ったのに気づいたらすぐ戻ることです。尾根に沿ってルートがあり、それに従って歩いているうちにいつの間にかルートをロストしていることがあります。ルートがカーブしているのに気がつかず、まばらに木が生えている尾根をそのまま進んでしまうというのはよくあります。

そんなとき、そのうち本ルートに出るだろうと甘くみてそのままどんどん進む人が多いのが実情で、その挙げ句に自分の位置をまったく見失っていることに気づきます。地図で常に自分の位置を確かめておくのが登山の常識なのですが、登山ブームのせいあってちゃんとした指導を受けていない人が増えています。

では、ルートをロストして迷ったらどうしましょう? という話になるのですが、そんなとき大半の人は山を下ろうとします。下界に戻れば民家がある、誰かがいる、助けを求めることができるというわけです。特に、沢があるとまずそれに沿って下ろうとします。しかし、沢はやがて滝となります。無理してそれを下りようとすると苔に足を滑らせて転落という最悪のケースになりかねません。

ルートをロストしたときは見晴らしのいい尾根に出るのがベターです。暗くなると見通しが利かないためこの方法は取れないのですが、地形を把握して自分がどの辺りにいるかを確認するのが優先課題です。そのためにも地図とコンパスは常に携帯し、地図上で自分がどこにいるかを確認する癖をつけておきましょう。

スマホGPSは使えるか?

今やスマホの普及率はすごいものがあります。今年の3月には世帯別でガラ系の普及率を超えて67%にもなったそうです。

そのスマホで気になるアプリがあります。山登りでは非常に便利なGPSアプリです。
ハンディGPSは以前からガーミンなどがあったのですが、なにしろ高い。
本体とソフト合わせて10万円はイッちゃいますからね。それに比べるとスマホは無料アプリ使えばタダ!これは嬉しいです。

ただし、気になる点がいくつかあります。山の奥深く入ると当然電波が届かなくなります。つまり、ケータイが通じません。
ということは…GPSが使えなくなるのではという疑問が湧いてきます。ですが、これについては問題ないようです。
アプリの種類によるのかもしれませんが、電波は届かなくても衛星が位置をキャッチしているからGPS機能は立派に働くのだそうです。

もうひとつ心配なのはバッテリーです。そうでなくてもスマホのバッテリーは消耗が早く、容量を示すパーセンテイジがどんどん減っていきます。
ずっとGPSアプリを作動させていて果たして下山まで持つのかどうか、大いに気になるところです。実際に使っている人の意見を聞くと、十分持ったよという人もいれば、ロガー(行動した軌跡)を使わなければ大丈夫という人もいました。
また、機内モードにしているとバッテリーの消耗が少ないと教えてくれた人もいました。

スマホを愛用している皆さん、ぜひ試してみてください。

登山用語はドイツ語だらけ

相変わらず北アルプスは人気が高いですね。
8月12日には、涸沢のテントサイトに張られたテントが400を超えたそうです。去年の最多数は270だったそうですから、記録を軽く塗り替えたことになります。
この分でいくと、来年には500張りに達するかもしれません。

さて、今日はドイツ語のお話です。登山用語にはやたらドイツ語が多いということをご存じでしたか? ざっと挙げてみましょう。
リュック、ザック、ザイル、アイゼン、ピッケル、ストック、ハーケン、シュリンゲ、アイスバーン、アルペン……まだまだありますが、ここいらでやめておきしょう。
とにかく、ドイツ語を使わずに山の話をしようとしたら不可能なほどです。

どうしてこんなことになったかというと、明治時代にまでさかのぼります。新しく樹立した明治政府は富国強兵を目指し、軍国主義を確立させるためプロシア(今のドイツですね)に学んだのです。
当時は世界最強といわれたフランスをモデルにするつもりだったそうですが、普仏戦争でフランスはボロボロに負けてしまいます。
そこで、プロシアに学ぶことにして、軍隊や法律、医学などさまざまな方面で取り入れたのです。カルテは今でもドイツ語で書かれていますね。
もちろん、登山のノウハウもプロシアから導入しています。ドイツ語が多い理由はこれでお分かりでしょう。
明治時代は1868年から1912年まで続きました。100年以上も前の話です。その時代に導入されたドイツ語が今も健在なのですから、これはすごいことだと思います。

かくれ脱水って知っていますか?

皆さん、「山の日」はいかがでしたか? イベントに参加した人もそうでなかった人も、新しい祝日が生まれて休みが増えたのは嬉しい出来事だったのではないでしょうか。

ところで、皆さんはかくれ脱水というのをご存じでしょうか。
文字を見て分かるように、これは脱水症状の一歩手前の段階です。
この状態になったときすぐ気がついて対処すれば、重大な脱水症状に陥ることを防ぐことができます。

では、どんな症状でしょう?ここが肝心なところなのですが、本人にはほとんど自覚症状がありません
また、山に登っているから、夏だからという理由を自分で決めつけているため脱水の初期症状だということが非常に分かりにくいという傾向があります。

たとえば、食欲が湧かない、体がだるい、元気が出ないと感じたとき、あなたはどんな診断を下しますか? 
暑い日が続いているしなあ、夏バテかなあ、きのう飲みすぎたかなあ、ちょっと寝不足かも……往々にしてそう判断してしまうのです。
ところが、これが脱水症状の一歩手前だという場合が少なくありません。
歩く速度が遅くなったり、たびたび立ち止まったりするメンバーを見つけたら、リーダーはすぐ休憩を取って水分をたっぷり補給させてください。
また、ノドが渇いていなくても15分おき、30分おきと時間を決めて全員に水分を補給するように指示してください。

一人でも脱水症状が進行すると全員の動きが制約されます。かくれ脱水の時点で素早く処置して山登りを楽しんでください。

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自分に合った山とは?

本日8月11日は「山の日」です。「海の日」だけではなく、山を象徴する祝日をという願いが叶い、いよいよ今年から施行されることになりました。
これを記念して、白馬連峰の各山小屋では11日に宿泊したお客さんにオリジナルの手ぬぐいをプレゼントするそうです。タオルではなくて手ぬぐいというのがいいですね。

ところで、今日は「自分に合った山」とはなんだろう? というお話をしてみます。
山のガイドブックには、無理をせず、自分に合った山に登りましょうなんて書かれています。
でも、これを選ぶのは大変難しいと思うのです。まず、登ったことのない山だとまったく分かりません。
標高が同じレベルでもそれが当てにならないのは皆さんよくご存じでしょう。
それに、過去の経験もあまり役に立ちません。10年も20年も前に登ったからといって、現在も通用するとは限りません。
特に、お年寄りの方は昨年登ったからという経験が参考にならないのです。1年1年、体力は落ちていますから。

では、どうすりゃいいのって話になるのですが、確実なのはくたびれたらさっさと下山することですね。これが一番です。
無理にピークを目指すことはありません。同行者がいるとつい遠慮しがちですが、意識不明や転倒するともっと迷惑をかけることになります。

次に、信頼できるベテランと行動することです。
そんな人がリーダーだとメンバーの状況を常に観察していますから、おかしいなと感じたらすぐ対応してくれます。できれば歴史のある山登りのクラブに所属して、今のあなたにこの山のこのコースは無理ですとはっきりアドバイスしてくれるリーダーと同行するのが望ましいと思います。
ツアーの場合も大半はしっかりしたガイドが引率してくれますが、普段のあなたの状態を把握できていないから、その分がマイナスになります。

山登りを軽く考えている人がまだまだ多いのが現状です。その結果、山岳事故はいつまで経っても減りません。それどころか、ますます増えているようです。皆さん、くれぐれも山を甘く見ないように!

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上りと下りではどちらが好きですか?

用を足したあと、証拠隠滅を図ってトイレットペーパーに火を点けたところ、それが燃え広がって山火事が発生し、数百人の住民が避難するという出来事がありました。
アフリカ沖・カナリア諸島でのことです。日本ではトイレットペーパーを燃やそうという意識はまず考えられませんが、たまに山の中で吸い殻を発見することがあります。
愛煙家の皆さん、本当に注意してください

さて、今日は上りと下りの話をしましょう。山を上るのと下るのとではどちらが好きですかという質問をすると、ほとんどの人が下り! と答えます。
理由は、楽だから!これも共通しています。でも、ちょっと待ってくださぃ。転倒・転落といった事故はほんど下りに発生しています。
これはどういうことでしょう? 下りは楽なはずなのに……。

その理由はいくつかあります。まず、上って下るという行動パターンを考えると、午前に上って午後に下るというケースが大半です。
午前中は元気があり余っていますが、午後になると疲れが溜まってきます。つまり、体力が落ち、集中力も落ちてくるのです。

次に、前に転倒した場合、上りでは被害があったとしても軽くてすみます。体と登山道の間の間隔が狭いからです。
でも、下りではそうはいきません。間隔が広くなりますからそれだけにダメージは大きくなります。
山登りでは、上りは体力、下りは技術という言い伝えがあります。体力さえあれば上りは誰でも可能なのです。
しかし、下りはそうはいきません。足をどこに置いて手でどこを支え、体重をどのように移動させるかといった技術的な面が大いに要求されます。加えて、体力と集中力が落ちますから高い能力が必要になるのです。

トビ職人はハシゴを下って地上に降りる寸前に最も注意を払うといいます。皆さんも、最後まで気を抜かずに山登りを楽しんでください。

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登山靴の寿命は平均5年

御岳山が噴火したのは一昨年の9月のことでした。58名の方が亡くなり、私たちの頭の中ではまだ生々しい記憶として残っています。
今年から施行される国民の祝日「山の日」に、その御岳山の入山できる範囲で清掃登山を行います。定員は50人前後だそうですが、ぜひ参加してほしいと思います。

さて、先日のことです。下山していたところ、すぐ目の前を歩いていた人が突然しゃがみ込みました。体調でも崩したのかと心配になり、どうしたんですかと声をかけると、「靴底がはがれちゃいました」。
その言葉通り、右足の靴底が半分以上ベロンとはげています。そのままではとても山を下るのは無理なので、持参していたガムテープと予備の靴ひもで応急処置をしてさしあげました。

登山口まで30分ほどの距離だったので大したトラブルにもならずにすみましたが、下りながらいろいろ話を聞いてみると、5、6年前に買ったもののあまり山には行けなかったため、まったく傷んでいないから安心していたんだそうです。
見た目が新品同様だと安心してしまうのがほとんどの登山者です。ところが、日本という国は湿気が多く、靴底の素材であるポリウレタンの劣化は予想以上に早く進行します。紫外線や熱にも弱いのですが、大半の人は登山靴を押し入れに仕舞っています。すると風の通りが悪く、湿気がこもってどんどん劣化が進みます。一般に、靴の寿命は5年前後といわれていますが、保管の条件が悪いとわずか3年ほどでベロンといくことがあります。

劣化を遅らせる一番の方法は風に当てること、つまり靴を履いて歩くことです。山に行けないのならせめて登山靴を履いて散歩しましょう。その時間さえなければ取り出してブラッシングしてあげましょう。決して安くはない登山靴です。精一杯可愛がってください。

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夏山におすすめの行動食ベスト5

皆さん、こんにちは。暑い日が続いていますが、元気に山に登っていますか?

今日は暑い季節の行動食を考えてみたいと思います。山登りに行動食は欠かせません。山登りは予想外に体力を消耗しますから、エネルギーをどんどん補給しないと動けなくなってしまうのです。だから、休憩のたびにカロリーが高いものを食べたり飲んだりして補うのです。

といって、どんな食べ物でもいいわけではありません。登山なんですから軽くてかさばらないことが絶対条件です。
また、いざというときの非常食にもなってくれるものが理想です。
しかしながら、夏という条件を考えると大いに制限されます。カロリーメ○トは行動食としては非常に優れているのですが、はっきりいって夏向きではありません。
なんといっても、ノドを通りにくい! それに比べて、ウィダーインゼリーはまさに夏向きです。
というわけで、私がお勧めする夏の行動食ベスト5です。個人の好みが強いので順位はつけていません。悪しからず……。

1位
冷凍フルーツ パイナップル、大粒のブドウなどを冷凍したもの。フルーツゼリーやコンニャクゼリーを冷凍したものもこれに準じます。

2位
レモン、キュウリ、トマト どれも生のまま丸かじり!

3位
塩飴 熱中症対策として塩分の補給は欠かせません。飴の類は糖分も補ってくれます。

4位
ウィダーインゼリー とにかくノド越しがよく、安価な類似品でも問題ありません。

5位
ドライフルーツ 特にマンゴーは栄養のバランスがよく、人気が高いようです。

そのほか、ミニパンシリーズ(粒あん、クリームが人気)、ミックスナッツ、塩昆布、スルメ、梅干しというのもあります。
NGはバナナです。以前は人気の高い行動食でしたが、バナナに含まれるカリウムが塩分の排出を促進するため足がつりやすくなるのだそうです。もっとも、それだけ塩分をたくさん摂取すればその心配はなくなるようですが……。
皆さんが推選する夏の行動食を教えてください。